cafe 1886 at Bosch　Yokohama

ボッシュ株式会社は本社を渋谷から横浜市都筑区へ移転し、そのプロジェクトにおいて弊社は1階共有部の基本コンセプトデザインと「cafe 1886 at Bosch」の設計を担当した。
デザインコンセプトは「PARK +」。渋谷の拠点ではクラフトマンシップを強調したインダストリアルな表現が中心であったが、今回は計画地近くに広がる大きな公園と呼応するように、緑や温もりを感じられる空間を思考した。同時に、ボッシュの理念や歴史に触れられる場として、多面的な価値を提供することを目指している。
空間構成は、木や左官材といった自然素材やアースカラーを基調とし、外部と内部をシームレスにつなげることで、公園で食事をしているような雰囲気を演出した。座席はベンチシート、テーブル席、ラウンジソファ席などを組み合わせ、多彩な利用シーンに対応できる柔軟な構成としている。さらにカウンター上部にはボッシュの歴史的プロダクトを展示している。これは渋谷から継承した要素であり、ものづくりの精神を現代へと伝える装置となっている。
「cafe 1886 at Bosch」はオフィスの一角にあるカフェでありながら、オープン以来、多くの地域の人々に利用されている。共有スペースではイベントも活発に行われ、地域交流の拠点として機能し始めている。企業が地域との良好な関係を築き、互いに信頼と発展を育むことは、地域社会の未来にとって極めて重要な営みである。