SHIMOKITA PARK FRONT

世田谷区下北沢駅に近隣する公園前にある敷地で、5 階建ての商業・共同住宅の複合ビルの計画。
街の再開発が進んでおり、正にこれからというポテンシャルのある場所であるため、様々な使われ方を想定し、物販・飲食・サービス店舗が入居可能な環境を構築した。基壇部の商業部分は、角地という立地を生かし、2 の前面道路に面して大きな開口部を設け、街に対して賑わいと親しみを感じられるような計画としている住居部分は、採光・通風条件の良い前面道路側に居室ゾーンを広げ、プライバシーを考慮し腰壁を設けつつも、大きな開口部を設け視線の抜けた開放的な空間を目指したことで、公園の緑がより身近となり、豊かな住環境をつくりだしている。
また、建築全体のカラースキームは彩度の低いアースカラーを選定し、仕上げに質感のあるテクスチャを取り入れ、公園及び緑道との調和を図っている。
基壇部は自然を感じさせるような杉板型枠コンクリート打ち放しとし、上層部は土色のレンガタイル張りとし、建物用途の違いをデザインに落とし込んでいる。更に、共用部と住戸内の木を揃えることで、建物全体に統一感が生まれ、街に馴染みながらもその存在感を静かに放っている。公園の入口という場所で、地域や公園との一体感を生み出すよう、曲線の外壁や温かみのある素材感を用い、建物がまるで元々そこにあったかのように周囲に溶け込み、存在自体が当然のものと感じられるような建築となった。